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T-MAX (SJ08J)

現在7代目となっているT-MAXの,3代目に当たるSJ08J型のT-MAXです。

500㏄の最終型と言えば分かり易いでしょうか?

この後,530㏄→560㏄と排気量が上がります。

当然ながら排気量アップによってエンジンパワーも上がります。

エンジンのパワーは高ければ高い方が良いと思っている馬力至上主義の方々にとっては,500㏄のT-MAXは微妙に感じると思いますが,私はエンジンはパワーも大事ですが味はもっと大事と思っているので,パワーはそんなには気にならないんですよ。

使い切れない大パワーは必要ありませんし,中低速のトルク感や鼓動感を大切に思います。

パワーを公表しないハーレーに長年乗ってきたことも関係あるかも知れません。

それに,実は以前,初代T-MAX(SJ02J)に乗っていたことがあって,初代の素晴らしさを分かっているので,今回も初代か2代目(SJ04J)を探していたくらいなんです。

流石に年式的に初代や2代目で程度の良い個体はなかなかなくて,良さげと思って見に行っても納得できず…という時に,今回のT-MAXを発見して手に入れた,という訳です。

一時のビッグスクーターブームの流れの中で,日本ではT-MAXもビッグスクーターと同じ扱いを受けたものですから,流通しているのは,バーハン化やローダウンやカウル改造などをされている個体がほとんどで,本来のT-MAXとは違う使い方をされてきたものばかりなんですよね。

そう…,T-MAXは決してビッグスクーターではなく,オートマティックスーパースポーツ!なんです。

他のブログでも書いているように,バイクはローダウンしてしまうとコーナリング性能が悪くなってしまうのですが,T-MAXはせっかくコーナーが楽しいスポーツバイクなので,ローダウンされている時点で選択肢から外れます。(足つきの悪さは我慢しましょう!)

バーハン化も,一時大流行しましたが,ガキっぽくて私は嫌いです。

大抵は本来カウルに付いているミラーをバーハンに移すので,カウルのミラーが付いていた穴を目くら蓋で塞いだりしているのも,カッコ悪いですよねぇ。

バーハン化した際のライディングポジションも,仰け反っていて変ですし…。(指差して笑)

なんであんなのが流行ったのか…今となっては不思議です。(-_-;)

という訳で,T-MAXで許せるのはマフラー交換くらいです。

ノーマルマフラーは物凄く重いので,マフラーを交換すると軽量化にもなります。

ただ,ヤマハは音のチューニングもきちんとしていて,ノーマルマフラーの音に自信を持っているので,メーカーの意向を無視した行為ではありますが…。

ちゃんとしたアフターパーツのマフラーも,音も性能の一つとして開発していますので,ヤマハさん,お許しください。(笑)

私のT-MAXは,ヤマハがワールドGPに参戦した1961年から50周年という,2011年発売のアニバーサリーモデルになります。

ホワイトボディに赤のストロボカラー!

白赤はヤマハの伝統色,1964年にワールドGP250でタイトルを獲得した時のRD56も白赤でした。

歴代のYZRも白赤でしたね。

このカラーリングが購入の一番の理由です。

カッコ良いでしょ?!

そういえば,私が以前乗っていたRZV500も同じカラーリングでした。

RZV500はアクセルをちょっと多めに開けると3速までフロントがふわーっと浮き上がって,面白いバイクでしたよ。

(実は私,2スト大好きなんですよ。)

奇しくも,同じ500㏄です!


SJ08Jは,ヘッドライトの下のウインカーが大きいので,見る角度によっては四ツ目に見えるんですよね。

ほらっ,斜め前から見ると,何となくね。

そして,前から見ると…

ドキンちゃん?(笑)

可愛い!というか,お目目クリクリっていう感じ。

最初は変なの…と思いましたが,見慣れると味があるというか,個性的というか,忘れられないデザインなんですよね!

…ん?

これって,ダサカッコ良いってことじゃないですか?!(「ダサカッコ良い!」もご覧ください。)

ヤマハもなかなかやるじゃん!(^^)v


初代→2代目はほとんどマイナーチェンジみたいなものだったんですが,3代目はフレームが新設計のアルミダイキャスト製になって,フレーム剛性が圧倒的に高くなりました。

更に,フロントタイヤがそれまでの14インチから15インチになったり,ブレーキが強化されたり,フロントフォークも41mmから43mmに大径化されて,ボディの性能アップが図られました。

エンジンのパワーアップの方が華やかで目立ちますが,ボディの性能を上げてくるあたりは,流石走りのヤマハです。

四輪の場合もそうなんですが,ボディがエンジンに勝っている車は,速くてしかも恐くありません。

有名なのはかつてのベンツです。

ベンツは必ずエンジンよりもシャーシ性能が上回った車造りをしていました。

そうすると,速度感がないというか,実際は速いのに速く走っているように感じないので気持ちに余裕があって,安全だし長距離走っても疲れない車になるんです。そして,実は速いです!

このT-MAXも,エンジンパワーが2代目までと一緒なのにボディが格段に性能アップしているので,バイクの総合性能としては,かなりレベルが高いと言えます。

そんなところも,SJ08Jの魅力です。


T-MAXはスクーターではないと書きましたが,見た目完璧にスクーターじゃん?と思った方もいると思います。

T-MAXがスクーターではないというのは,メーカーがそう言っているからということもありますが,構造と走り故にそう言えるのです!(エヘン)(笑)

普通のスクーターは,ユニットスイング式と言って,エンジンがスイングアームと一体化した構造になっています。

こんな感じです。

エンジンはリヤタイヤの動きに合わせて一緒に動きます。スイングアームの中にCVTの変速機構も収まります。

ところが,T-MAXはエンジンはフレームにリジットマウントされていて,CVTユニットも別体ですので,スイングアームは純粋なスイングアームなんです。これは通常のオートバイと同じ構造です。

スイングアームにエンジンがのっかっているスクーターの構造は,スポーツ走行しなければ問題ないですしシンプルな構造で良いと思いますが,重いエンジンがバネ下にあるのですから,当然ながら走行性能は求められません。

エンジンがフレームにマウントされているT-MAXは,限りなく普通のバイクに近い性能ということになります。

いえ,実は普通のバイク以上の性能を追求しています。

T-MAXのエンジンは並列2気筒なのですが,エンジンを前に水平に倒して搭載しているんですよ。

これによって低重心化を図れます。

T-MAXのエンジンは,360°クランク,つまり2つのピストンが同時に動くタイプの2気筒です。

このエンジンは,いわばシングルエンジンを2つ並べたような構造なので,味わいのあるエンジンになるのですが,振動が出るという欠点があります。

この欠点を解消するためにヤマハが取ったのは,2つのピストンと反対側にもう1つのピストン(のようなウェイト)を付けて振動を打ち消すという方法です。

まるで3気筒ボクサーエンジンのような構造ですね。

どうせならウェイトバランサーの方も着火して動力源にしちゃったら良いのに…と,T-MAX発売当時私は思ったものです。(笑)

そうしない方が良い理由がちゃんとあるんだと思います。(知らんけど)(笑)

後ろ側に向いたバランサーウェイトが分かりますか?

クランクで回してピストン運動させるんですから,ここもオイルが潤滑してるんでしょうね?

オイル管理シビアにしないとですね。

右端(写真では上)に見えるベルトがCVTユニットです。

スイングアーム内は駆動用のチェーンが入ってますね。(4代目以降はベルト駆動になりました。)


あと,フロントフォークなんですが,普通のスクーターのフロントフォークって,ハンドルまで来てないって知ってました?

フロントフォークはアンダーステムのところまでしかなくて,その上は1本の棒(?)なんですよ。

こんな感じですね。

だから収納スペースをたくさん取れるんです。

棒(?)がその場で回転するだけですので…。

それに,スクーターのハンドルがやけに軽いのもこの構造故です。

ただ,これではハンドル剛性は期待できないですよねぇ。

T-MAXはトップブリッジのところまでしっかりとフロントフォークが伸びていて,ハンドルを切ると2本のフロントフォークが弧を描いて動きますので,そのスペースが必要ですから,フロント周りに収納スペースはあまり取れないんですね。

でも,オートマティックスーパースポーツなので,収納より走り!優先なのは当然です。

こちらは初代T-MAXのヌード写真(笑)ですが,基本構造は新型でも一緒です。

この構造故に,前後重量配分が47:53という,ユニットスイング式ではあり得ない驚異的に理想的な前後重量配分になっています。

更に,キャスター角が25°と,完全に旋回性を重視した設定になっていて,コーナリングマシーンであることが数値からも分かります。

実際に乗っても,コーナーでスッとバイクが倒れてグイグイ曲がっていくので楽しいですし,リッタークラスのバイクと一緒に走っても,ついていけるどころか,ぶっちぎれます!(笑)

T-MAXがスクーターではないと言える理由をお分かりいただけたでしょうか?

(形はめっちゃスクーターですけどね。)(笑)

(スクーターにしては足つかな過ぎです。)(笑)


私のT-MAXはUSヨシムラのフルエキが入っています。


音はこんな感じです。

SJ08Jのタコメーターはこのようにバーグラフ式になります。

SJ02Jはタコメーターなし,SJ04Jはスピードメーターと横並びのアナログタコメーター,で,SJ12JからはSJ04Jと同じ形式に戻ったので,バーグラフ式は不評だったんでしょうか?

私としては,CVTのスクーターにタコメーターは不要だと思っていますし,実際ほとんど見ませんが,たま~に,何回転くらい回ってるんだろう?と見ることができるので,あればあったで良い…程度のスタンスです。

なので,このメーター,見やすくて気に入ってます。


アルミダイキャストのフレームで剛性もともと高いんですが,更にパワービームが装着されています。

フレームのねじれをダンパーで減衰するという,Y'sギアの優れものパーツです。

パワービームの取説には,「パワービームを装着するとスタンダード車とは操縦感覚が異なります。充分に慣れるまでは注意して運転してください。」と書いてありますので,気休めや気分的なものではなく,本当に効果抜群なオプションパーツみたいですね。

乗り心地が良くなって,ハンドリングが向上して,長距離走った時の疲労も軽減できる…って,凄くないですか?(私は購入時から付いていたので違いが分かりません。)(-_-;)

そういう訳で,パワービームの効果なのか,SJ08Jのもともとの性能なのか,はたまたバトラックスのタイヤ性能故なのかは分かりませんが,T-MAXのコーナリング性能はとってもgoodです。

ドゥカティのように腰をちょっと前寄りに落としてフロントに荷重をかけ…なんていうことは一切必要なく,何の意識もしないで,おしりの体重のかけ方を「ふんっ」とちょっと右に左に変えてあげるだけで,スッとバイクが傾いてグイグイ曲がっていきます。

切れ込んでいきそうになった時は,ニーグリップはできないのでくるぶしグリップで車体の傾きを安定させます。

リーンウィズでもリーンインでもリーンアウトでも,どんな曲がり方でも何の問題もありません。

なんなら,ハンドルをこじるような曲がり方でも受け入れてくれて,すんなり曲がります。

乗りこなす楽しさはありませんが,めっちゃ速いです!

そして,ブレーキ性能がまた素晴らしい!

コーナー手前でブレーキングして,ちょっと引きずりながらコーナーに入って,コーナー出口で加速して,すぐまたコーナー手前でブレーキングして,…というハードな走りを続けても,熱ダレで制動力が変わることもなく,強力な制動力を発揮してくれます。

コントローラブルなタッチも素晴らしく,これならブレンボでなくても満足です。

ヤマハのブレーキ,なかなか良いですねぇ。


私は足つきの関係でシートの前の方に座りますので,ライディングポジションはほぼ直立で,楽ちん楽ちん!

乗りこなす楽しさはない…と書きましたが,難しいことが必要ないという意味で,決してバイクとして楽しくないのではなく,コーナリングも楽しいです。

そして,ドゥカティと違うのは,ゆっくり走っていても楽しいことです。

ちょっと飛ばし気味の車の後ろを大人しく走っているような時でも,コーナーが楽しいんですよ。

ドゥカティ(スーパースポーツS)も,ゆっくり走ってもLツインの鼓動を楽しむことができるので楽しいのは楽しいんですが,コーナーではバイクが急かしてくるので速く走りたくなっちゃうんですよね。

ワインディングに入るとスイッチが入るというか,目が三角になるんですよ。(笑)

せっかくのコーナーをゆっくり走ったらもったいないという気持ちになる…というか…?(笑)

それが,T-MAXは終始余裕があって,ゆっくりでもどんとこいという感じと言ったら分かり易いでしょうか?

BMWのR1100RTが,ちょうどそんな感じで,ライディングポジションが似ているということもあるんでしょうか?

理由ははっきりとは分かりませんが,そんな感じなので疲れないです。


…という訳で,楽で速くて楽しい!と,3拍子揃っています。

まるで,早い安い旨いのラーメン屋みたいで,良いバイクですよ。(笑)

唯一の欠点は足つきが悪いことですが,高い着座位置でおしりの体重移動をすることによって素晴らしいコーナリング性能が発揮されるのですから,バイクの性能のために,足つきの悪さは我慢しましょう。

チビで短足のオヤジの私が乗れるんですから,大抵の方は大丈夫ですよ。(笑)


バイクは両足同時に着く必要はありませんし,T-MAXはシフトペダルもリヤブレーキも足元にはないんですから,足の踏み替えも必要ありませんので,左足だけ着けばOKです。(両足同時には着かないことの言い訳)(笑)

そもそも,信号待ちで両足着いている人は,初心者感満点でめっちゃカッコ悪いですのでご注意ください。

左足を着いて,右足はリヤブレーキを踏みながら信号待ちし,信号が青になる寸前に足を踏み替えてニュートラルから1速に入れ,もう一度足を踏み替えて左足を着いた状態から発進する…,っていうのが正しい乗り方です。(足を踏み替えている間はフロントブレーキを握って,再度左足を着いたらリヤブレーキを踏みます。)

これがきちんとできていると,カッコ良いですし,上手な人だなぁ…と思います。

話がそれましたが,なのでT-MAXの足つきの悪さは,何とかなるレベルなんです。

(サイドスタンドの出し入れの際は踏み替えが必要です。)

(T-MAXはサイドスタンドを出すとエンジンが停止します。)

(CVT車はアクセル煽ると走っちゃいますので,この機能は安全上あった方が良いですね。)


このスクリーンのおかげで,ジェットヘルにサングラスでも快適です。


逆スラントのテール周りがSJ08Jの特徴です。


アニバーサリーモデルは給油口の蓋も赤です。

トランクのカーペットまで赤です。


黒キー2本と赤キー,キーコードプレートもあります。

中古バイク購入の際は,赤キーがあることを確認した方が良いですよ。

ヤマハのバイクは,赤キーがないとイモビの登録ができないのでスペアキーを作れないんです。

バイク屋に頼むと,赤キーがない時はキーユニット全とっかえになりますので,もの凄い金額になって,目の玉が飛び出します。(笑)

クローンキーを作るという奥の手がありますが,扱っている鍵屋さんは限られるので,キーを送ったりとリスクがありますし面倒です。


無くても全然平気なんですが,あればあったで何となく嬉しい取説です。


なぜか分かりませんが,前の車が左に寄ってハザード点けて道を譲ってくれるんですよね。

煽ったりしてませんよ。

車間距離十分とって,大人しく後ろを走ってるんですが…,色のせいなのか,音のせいなのか,ダサカッコ良い顔を見てヤバそうなのが来たと思うのか…?(笑)

まぁ,良いか…。


3拍子揃ったT-MAX(SJ08J),面白いですよ!




車検に備えて,マフラーをノーマルに換えました。

その他にもちょこちょこリフレッシュしました。

バーエンドはすぐに分かると思いますが,他は分かるかなぁ?

間違い探しみたいですね。(笑)


ノーマルマフラーはとっても静かです。

音はこんな感じです。

迫力が全然違います。(当然ですが…。)

パワー感も気持ち良さもヨシムラの方が数段上です!

まぁ,車検終わったら速攻ヨシムラに戻しですね。(笑)


T-MAXのバッテリーはちょうどメーターの下辺りにあります。

前後重量バランスのために,あえてそこにあるんだと思います。

ただこのために,バッテリーにアクセスするには,フロントセンターのカウルと左右ミラーと下側のスクリーン(SJ08Jはスクリーンが上下2分割)を外さなければなりません。

作業としては難しくないですが,如何せん面倒くさいです。

それで,充電コネクターを忍ばせました。

カウルの下から覗き込むと防水のコネクターが見えます。

左のグローブボックスの中にシガーソケット電源があるので,それを利用して充電することも考えましたが,確認したら配線がやたら細くて,充電には適さないんですよね。

これで,簡単に充電器を繋げられます。

冬(寒い)や夏(暑い)や春(花粉症)などの乗らない期間も安心です。(爆)


シートダンパーがちょっとへたってきてるので,ダンパーを入手しました。

安い中国製のダンパーもあるんですが,やっぱり純正品にこだわりました。

あんまりバコンと開くのも高級感に欠けるので,強化ダンパーまでは必要ないかな…ということで。

へたり気味ですがまだ大丈夫なので,折を見て交換したいと思います。


バイクって,自分でいじると,愛着が湧きますねぇ。

整備士の資格がないと触ってはいけない所もありますが,そうでない所は,自分でやってみることをお勧めします。(全然センスない方は,へたにやると危険ですので慎みましょう。)(笑)(ちゃんとした工具がない方もやめた方が良いかも…。)(-_-;)


眺めて楽しむ,乗って楽しむ,洗車して楽しむ,いじって(整備して)楽しむ…。

いやぁ,バイクって良いですねぇ。(^ ^)v

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