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BMW R1100RT

「BMW R1200C」にちょこっと登場したR1100RTです。

RTはドイツ語のReise Tourerの頭文字,英語に訳すとTravel Tourerです。

どんなバイクか分かりやすいネーミングですね。

最近,BMWのバイクを連続で仕入れていますが,王道のツアラーに行っちゃいました。(笑)

K1200Sは,スポーツ走行を意識した造りなので,フルカウルバイクとは言っても高速で結構風圧を感じるのですが,このR1100RTは,無風と言っても過言ではない,高速走行向けのフルカウルバイクです。

それに,K1200Sはポジションが意外と疲れるんですが,R1100RTはほぼ直立のライディングポジションで,楽ちん楽ちん!(^^)v

ただ,重いです。(-_-;)

フルパニアだと見た目も大きい!って感じですが,車重も280Kgありますので,K1200Sの250Kgよりも更に30Kgも重いんですよ。

ハーレーのFLHTCU(エレクトラグライドウルトラ)やホンダのゴールドウィングに比べれば,車重も200Kg台で全然軽いし…と,K1200Sで重さに辟易していたことはすっかり忘れ,買ってしまいました!(-_-;)

で,乗ってどうなのかと言いますと,まずはBMWではお馴染みの傾きの大きなサイドスタンドから起こす時に,めっちゃ重さを感じます。

よっこらしょでは足りず,おりゃ〜って感じです。(笑)

でも,一度走り出してしまえば,乗りやすくて重さを感じないんですよ。

この点は,一回りも二回りも小さなバイクに乗っているみたいな感覚です。

Uターンも軽々できます。

これは多分に,低速でハンドルが切れ込む特性があるからです。

フロント17インチでリヤ18インチのタイヤのせいでしょうか?

これを恐いと感じてしまうと立ちごけの可能性大なのですが,この特性をうまく利用すると,こんな大きなバイクで小回りがスイスイとできます。

そして,低速トルクがたっぷりの1100㏄ボクサーツインエンジンと重い車体のバランスが良く,安定していて乗りやすいんですね。

峠でも,驚くほどヒラヒラとコーナリングを楽しめます。


バイクは軽い方が良い…?

G310Rに乗ってた時は本当にそう思いました。

軽さは正義だ~!と(笑)

でも,実は,一概にそうとも言えないんですよね。(今さら?)(笑)

同じエンジンを積んだハーレーが,車種によってまるで違うエンジンのように乗り味が違うのは,車重が違うからなんです。

車重が重いFLHTCやFLHTCUで,高目のギアで少しずつアクセルを開けて,エンジンの低速トルクを使ってドドドド…と加速する時の気持ち良さ!

乗ったことのある方は分かると思います。

ちょ~気持ちい~!(北島康介風に)(古い?)(笑)って感じですよね。

R1100RTは,もちろんハーレーのようなエンジン特性では全然ないのですが,この車重があるからこそ高速での安定感や落ち着きのある加速感を味わえ,コーナーで安心して体重をバイクに預けることができるのです。

長距離を楽に移動できるという点では,完全にハーレーに勝ってます。(エヘン)(笑)


実は,高速での無風の最右翼は「オープンカーの魅力」で紹介しているR100RSです。

R100シリーズの頃にもRTはあったのですが,R100RTは超不人気で全く注目されませんでした。

R100RSに比べて,スクリーンがやたら大きいという印象です。

実車は写真以上に大きく見えて,かなり不格好です。(-_-;)

アップハンドルもカッコ悪くて不評でした。(-_-;)(-_-;)

段付きのシートも,いまいちでした。(-_-;)(-_-;)(-_-;)

R100RSが完成された形だったので,後発のRTは不遇でしたね。

R100RSは,今見てもうっとりするカッコ良さです!

R100RSは走ってさえいれば雨が降っても体が濡れませんし,冬でも夏用のグラブで十分でした。

R1100RTは,電動スクリーンを立てるとそれに匹敵する快適さです。

スクリーンを寝かせている時はヘルメットの風切音が多少しますが,スクリーンを手元のスイッチで立てると,あるところで無音になります。

R100RSのようにグリップがカウルのすぐ後ろに完全に隠れる訳ではないのですが,グリップヒーターもありますし,オイルクーラーの熱をハンドルに送る開閉式の吹出口まであります。

R100RSも良いバイクでしたが,ポジションの楽ちんさは断然R1100RTの勝利です。(本来はR100RTと比較しなくちゃいけないんですよね。)

そして,不遇なR100RTのように,ポジションの楽ちんさがカッコ悪さに繋がっていないところもR1100RTの素晴らしさです。(むしろR1100RSよりカッコ良いですよね?)(「BMW R1200C」をご覧ください。)

R100RSからR1100RSではなくR1100RTに乗り換えた人が多かったのも納得です。

長距離を走った後の疲労感が少なく,スポーツバイクのように走りを楽しむこともできて,しかもカッコ良いんですから,言うことありません。


R1100RTは,その後2001年にR1150RTになり,2005年にR1200RTになります。

で,なぜにR1100RTなの?

そりゃあ,年式的に安いからに決まってるでしょ?(笑)

確かにそうなんですが,R1100RTを選ぶ積極的な理由もあります。

①顔

下がR1150RTです。妖怪っぽいですよねぇ。(笑)

この顔がどうしても好きになれない人は多いんですよ。

上のR1100RTの方が断然ハンサムでしょ?

②故障

R1150RTは,サーボブレーキが付いています。

更に,前後ブレーキが連動して効くフルインテグラルブレーキも付いています。

更に更に,ABSが第三世代に進化しています。

こう書くと,良いじゃん?と思うかも知れませんが,これらが故障しやすいんですよ。

しかも,故障したら修理費に目の玉が飛び出ます!(笑)

R1100RTなら,昔ながらの単純な作りなので,故障が少ないのです!

BMWの故障で有名なABSも,古いタイプは壊れにくいです。

中古バイクを購入する時に,これって意外と大事なんですよ。

③エンジン

排気量が大きくなるほど迫力がある?

実は,そうではなく,1150,1200とモデルチェンジされるに従って,エンジンのスムーズさが増し,静かになって,迫力がなくなっていってしまいました。

1100㏄ボクサーツインが,荒々しい迫力と気持ち良さの点で一番!なんです。

「味」を求めるなら1100ですよ!


このエンジン,OHCと間違って紹介しているサイトがありますが,正確にはOHVです。

プッシュロッドでロッカーアームを動かしているんです。

4バルブハイカムOHVという独特な空冷エンジンです。

やっぱり空冷は良いですねぇ。

(ヘッドライトの下にラジエターがありますが,オイルクーラーです。)


クランクシャフトが縦置きなので,空ぶかしすると車体がグラッと右に傾きます。

モトグッツィの縦置きVツインなども同じですね。

最初はビックリするかも知れませんが,この特徴はボクサーらしさとしてBMWファンからは愛されているんです。


K100シリーズがデビューした後,一時ボクサーツインは製造中止(厳密にはR80だけ売られていた)になったことをご存知でしょうか?

4気筒エンジンの方が断然高性能なので,BMWとしては世代交代させたかったんですね。

ところが,ファンからの熱い要望によって,ボクサーエンジンが復活したんです。

お試しで復活させた再ラインナップシリーズは,注文が殺到して売れまくり,BMWとしてもボクサーツインの高性能化に予算をかけることができて,R259の開発に至ったという訳です。

ポルシェの911と全く同じエピソードですね。

やっぱり,車もバイクも,性能だけが全てではなく,「味」が大切だっていうことです。


R1150RTの羨ましい点は,ミッションが6速になったことです。

R1100RTは5速です。

高速を飛ばしている時に,あと1速あったらなぁ…と思うことがあるんですが,R1150RTはユーザーの声を反映させたのか,痒いところに手が届く6速目があるんですよねぇ。

一般道を走る分にはほとんど4速までしか使いませんし,高速で6速欲しいと思うのはかなり速いペースで走る場合ですので,5速で十分ではありますけど。

エンジンのパワーとトルクがちょっとだけアップしていますが,これは乗り比べても分からない程度の微々たるものですので,あまり気になりません。


フルパニアだと本当に大きく見えますねぇ。

この大きさ故に,車から一目置かれて,追い抜こうとする車はまずいません。

大抵は,車間距離を十分にとって後ろから大人しくついてきてくれます。

小さいバイクだと,結構なスピードで走っていても,無理やり追い抜こうとする車がいて,それが普通のおばちゃんの軽だったりしますよね。(-_-;)

大きく見えることは,安全に繋がります。


パニア自体はとても軽い作りですので,外しても車重はさして変わりませんが,外すと見た目はかなり軽々した感じになります。

パニアなしだと「バイク」って感じですね。(笑)

これはこれでカッコ良いです。

サイドパニアケースだけでもなかなか良い感じですよ。

実際は,サイドパニアだけで十分な積載量があります。

トップパニアケースだけっていう使い方も,もちろんできます。

すり抜けをする人には良いかもしれませんが,私はトップパニアだけのスタイルはあまり好きではありません。


K1200Sのパニアは,容量を2段階に増やせたりと工夫はされていますが,小さくてあまり使えませんでした。

このタイプです。

その点,R1100RTの昔からのパニアはシンプルで大きくてなんでも入りそうな安心感があるので,ついついお土産いっぱい買っちゃいますよ。(笑)


BMWは伝統的にマフラーが左側にあります。

なんでなのかは,…分かりません。(-_-;)

右側はシャフトドライブのシャフトを兼ねたパラレバーサスがあるので,バランス上だとは思いますが,K1200Sでは左がパラレバーで右がマフラーになっています。

他と違うことが好きな私としては,左マフラーの方が良いかな?(笑)


カウルに付いているラジオのアンテナが,ツアラーバイクを主張しています。

実際は,ヘルメット越しに聞こえる音量でスピーカーから音を出して走ると宣伝カーのようになってしまいますので,山の中のワインディングや空いている高速道路など民家がなくて人もいない道専用なんですけどね。(笑)

ハーレーでCDを聞いていて,なんか,かなり遠くからも皆振り向いてこっち見るなぁ…と思って気が付きました!(あぁ,恥ずかしい…)(-_-;)


メインスタンドは,このレバーを使うと軽々とかけられます。

重量級のバイクにはありがたい装備です。


このレバーの横に電源ソケットがあって,ここからバッテリーの充電をすることができます。

雪国のオーナーは,冬の間はBMW専用充電器を繋ぎっぱなしにするそうです。

BMW専用充電器は,バッテリーの状況を診断して自動でバッテリーに最適な充電をしてくれる優れものです。

R1100RTのバッテリーはシートのすぐ前にあって,シートを外すと見えるんですが,交換する場合はカウルを外さなければならないんです。

なので,専用充電器を使って長持ちさせることは必須ですね。

カウルにも電源ソケットがあって,こちらはスマホの充電などに便利です。


R1100RTのフロントサスは,他のブログでも紹介しているBMW独特のサスペンション,テレレバーです。

「BMW K1200S」では,K1200Sのデュオレバーを,テレレバーの進化系と紹介しましたが,乗り比べると,実は全く別のサスペンションだと分かります。

デュオレバーはスポーツ走行には適しているのかも知れませんが,ツーリングレベルの速度で普通に走るには,テレレバーの方が乗り心地も良く,断然優れていると思います。

テレレバーは,R1100シリーズから採用されたフロントサスペンションですが,なんと言っても最大の特徴はブレーキング時にノーズダイブしないことです。

油圧を使ったアンチノーズダイブシステムが一時国産バイクでも流行りましたが,テレレバーは構造上ノーズダイブしないので,不自然さが全くなく,意識せずにその恩恵に預かれます。

ノーズダイブしないので,安定したブレーキングができると同時に,コーナリング中にブレーキをかけてもバイクが立ち上がらず,バンクしたまま減速できるんです。

凄いでしょ?

オーバースピードでコーナーに突っ込んでも,ちゃんと減速できて,しれっと曲がれるってことです。

これも,ツーリングで疲れない要因の一つです。

目を三角にして走らなくても十分速いんですから,精神的に余裕があって,疲れないんですね。

疲れずに速くて面白い…って,早い安い旨いの3拍子揃ったラーメン屋みたいじゃないですか?

しかも,中古車なら文字通りの安いまで付いちゃいます!

4拍子揃ったBMW R1100RT,お勧めです!


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