オープンカーの魅力
バイクに乗っている人を見ると,季節に関係なく「気持ち良さそうだなぁ」と思いませんか?
でも,バイク乗りに言わせると,本当に気持ち良いのは秋~初冬だけです。(春は花粉症ですので…)
夏なんて,周りからは気持ち良さそうと思われるのですが,乗ってる本人は太陽からの熱とアスファルトからの照り返しとエンジンの熱で,ヘルメットの中はサウナ状態,半分気を失いそうになりながら乗っているのが現実です。(笑)
冬は見た目寒そうですが,装備さえきちんとしていれば,真冬以外は意外と気持ち良い季節です。
特に,BMWのR100RS乗ってた時は,走っていれば雨にも濡れないカウルのおかげで風もほとんど体に当たらず,水平対向空冷エンジンの熱で足元もポカポカという快適ウィンターライディングでした。
ステップの位置見れば,足が暖かいのが分かりますね。

走ってさえいれば雨が降っていても体が濡れないカウルです。(デカッ!)

手にも風が当たりません。
このバイク乗る時は,冬でも夏用のグラブでOKでした。

ただ,このバイクは逆に夏は乗れませんでしたけど…。
本当に気を失いますよ。(笑)
で,オープンカーはどうでしょうか?
オープンで走ると,夏は真っ黒に焼けます。(笑)
気をつけないとグラサンの跡がくっきりついちゃったりします。
初夏に屋根開けて半日も走っていると,「海外旅行行ってきたんですか?」とよく聞かれます。
でも,気持ち良いです。
エアコンの風をMAXで出していれば,渋滞でもバイクみたいには暑くありません。
実は冬も気持ち良いんです。
屋根は開けて,窓は閉めて,ヒーターガンガンかけて走れば,全然寒くありません。
頭寒足熱で気持ち良いんですよぅ。
春の花粉症の季節だけはあまり開けたくありませんが…。
しか~し,昨今のオープンカーはなっちょらん!
それはなぜか?
空が見えないのですよ。
フロントガラスがやたら寝てて,フロントガラスの上端は頭の上か下手したら後ろにあるんですから,空なんか見えるはずありません。
ドライバーが運転しながら見える景色は,クローズドボディの車と全く変わりません。
車内が明るいことと,頭上をかすかに流れる風でオープンを感じることができるだけなんです。
オープンカーも,傍から見ると気持ち良さそうに見えるんですけどねぇ。
実は,運転している人はあまり気持ち良くないんです。
…という訳で,私は必ず,首を上に上げなくても空が視界に入るオープンカーを選びました。
そうでないと,ドライバーにとってはオープンの意味がないですし,無理やり空見ようとすると事故りますのでね。(笑)
この点で優秀なのが,サーブ900ターボカブリオレでした。
この車のフロントガラスは戦闘機のように湾曲していて,ガラスの上端が頭よりもかなり前にあるのです。(サーブは元航空機メーカー)
なので,お空がよ~く見えるオープンカーなんです!
フロントガラスが湾曲しているのが分かりますか?
フロントシートのヘッドレストの位置とフロントガラスの上端の位置を見てください。
これならお空が見えるでしょ?

フォード・ムスタング5.0コンバーチブルもお空見え度高目でした。
V8OHV5000㏄のブロロロ…というエンジン音がダイレクトに聞こえるところもこの車の気持ち良さを倍増させます。

この内装,しびれますね~!
オープンだと内装丸見えですので,内装もカッコ良くないとね。

あとは,なんと言ってもケイターハムスーパーセブンです。
この車の爽快感は半端ないです。

運転席からの景色はこんな感じです。

レーシングスクリーンは窓というよりガラス板?ですので…。
ドアも,もちろんサイドウィンドゥもありません。
これに匹敵する爽快感を味わえるオープンカーがあります。
こちらです。

三菱ジープ!
この車,幌を外し,ドアも外し(ひょいっと簡単に外せます),フロントウィンドゥをボンネット側に倒すことができるんです。
そうすると,目の前を遮るものは何もなくなります!
ドア外すと,周りからは足まで見えます。
夏はエアコンないので暑くて,短パンにサンダルで乗ってると,それも全部丸見えになっちゃいます。(笑)
それほどオープンなのです!
そして,直噴ターボディーゼルのダイレクトなレスポンスとマニュアルミッションを駆使して走ると,爽快爽快!
思わず「ワオーン」と叫んでしまいますぜぃ。(笑)
いやぁ,オープンカーって良いですねぇ。
オープンカーに乗る際に,最も障害となるのは,実は「恥ずかしさ」です。
車って四方を囲まれているので安心感があるんですよね。
それが一切ない訳ですので,最初は不安で不安で仕方ありません。
周りの車も,歩いている人も,道端のお店の人も,みんな自分を見ているように感じます。
爽快感を味わうどころではありません。
これを克服する方法はいくつかあります。
(1)自分は超カッコ良いと思い込む。
これは,ただ思い込むだけでは無理があるので,役割りモデルを見つけて,その人になりきるのです。
例えば,「GTロマン」っていう漫画に出て来るヒロシ君になりきってスーパーセブンに乗るんです。
カッコから入るんですね。
あまり現実離れした役割りモデルにしないことが秘訣です。
ただのコスプレになっちゃいますので…。(爆)
(2)潔く,幌は開けない。
これも一つの手です。
実はアメリカではコンバーチブルトップというものがあって,一見オープンカーのようにレザートップになっているんですが,実際には開かないルーフの形状があるんです。
思い切って,これを気取るという方法です。
せっかく開くのにもったいないですが…。
(3)夜開け昼閉め。
これは現実的です。
昼間は幌を閉めて走り,夜は開けるんです。
夜のオープンは実はとっても気持ち良いんですよ。
月や星やネオンがよく見えますので…。
夏なら,日差しがない分昼間より涼しいですし。
そして,周りが暗いので恥ずかしさ半減というおまけつき。
これで慣れたら,昼開けデビューっていうのも良いかも知れませんね。
(4)恥ずかしくないオープンカーに乗る。
これは,ボロ車でないとかそういう意味ではなく,ちょっと囲われているオープンカーという意味です。
私が乗ったオープンカーの中でこれに相当するのは,BMW318iカブリオレです。
E30時代の3シリーズです。
サファリベージュのボディカラーがお洒落でしょ?
後に出る320iカブリオレや325iカブリオレはフルオープンなんですが,318iカブリオレはバウア社がコーチビルドした,いわばセミオープンなんです。
正式にはTC(トップ・カブリオ)と呼びます。
2002やE21の時代もありました。
一見普通のオープンに見えるのですが…。
ルーフに切れ目があるのが分かると思います。
ルーフのフロント部分は取り外してトランクに入れます。
リヤの分部だけ畳んでオープンにします。
すると,下の写真のようになります。

全部オープンにしても,この写真のように枠が残るんですよ。
…という訳で,恥ずかしさがかなり少ないオープンです。
サンルーフと大して変わんないじゃん?と思ったあなた,オープン感はサンルーフの比ではありませんよ。
開閉が電動ではないので面倒くさいのが欠点ですが…。
ルーフの部分だけ外して,リヤの幌は閉めたまま…という乗り方もできますし,その逆もできます。
この内装,懐かしいですねぇ。
そして,この4発のエンジンが優秀なんですよ。
BMWは6気筒が「シルキーシックス」と言って有名ですが,4気筒もとっても気持ちの良いエンジンなんです。
これと似た構造のセミオープンが,ポルシェのタルガです。
前から見ると普通の964に見えますが…。
横から見ると構造が良く分かると思います。
リヤ部分は曲面ガラスです。
タルガもルーフ部分はトランク(911はフロントがトランク)に収納します。
実はタルガは不人気だったんですが,ポルシェ伝統のルーフスタイルで,昔からありましたし今もあるんですよ。
カッコ良くないですか?
でもこれはお空は見えなそう…(-_-;)
まぁ,オープンカーを手に入れたら,そんなこんなで色々楽しんでみてください。
オープンカーに乗ると,ファッションにも気をつかうようになりますし,ちょっと若返ることができると思いますよ。
くれぐれも,車内散らかしっぱなしとか,後付けのドリンクホルダー付けたりとか,ダッシュボードにナビ付けたりとか,ダサい行為は禁物ですよ。
丸見えですので…。