VWについて思うこと
日本でこれほどVWが人気があるのは,実はヤナセのおかげだって知ってました?
1953年(昭和28年)から1992年(平成4年)までの長い間,VWはヤナセが輸入販売していました。
最近のVWは,内装が浮くだのエンジンの製造精度が安定しないだのDSGが壊れるだのと,あまり良い話を聞きません。
…が,実は昔から結構壊れました。
それなのにVWが日本で高評価になったのは,ヤナセの地道な努力があったからなのです。
ドイツ本国では大衆車のゴルフを日本ではマークツークラスより高く売る訳ですので,一筋縄ではいかなかったことは容易に想像できます。
VWはメーカー名自体がフォルクス・ワーゲン(国民車)つまり大衆車という名前ですのでね。
最近はちょっと高級色出してますが,以前のVWは内装も質素極まりないものでしたし,なんでこれがこんな高い値段なの?って感じでした。
ドアのウィンドレギュレーターが付く穴なんて,プラスチックのめくら蓋で塞いであるだけでしたし,エンジンもうるさいし,パワーもないし…。
そのVWの,日本で言えばカローラクラスのゴルフを,いわば高級車として売る訳ですので,ヤナセの努力は本当に凄かったんです。
「宣伝」にもかなりお金かけました。
当時のVWの宣伝は,VWを買って乗ったら人生が変わる!と思わせるものでした。
実際には,VW買うと,その後ローンの支払いのためにお仕事一生懸命しなければならなくて,違う意味で人生が変わるのですが…。(爆)
そして何と言っても,ヤナセのアフターに対する姿勢が凄かったです!
「調子悪い」と電話すると営業担当とサービス担当が二人で家まで車を取りに来ます。
国産ディーラーの代車はボロボロで乗るの恥ずかしい車が多いですが,ヤナセの代車はこのまましばらくこの代車乗っていたい…と思う車です。
そして,修理が終わって車を届けに来てくれた時も「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした」と深々とお辞儀。
その数日後に「その後お車の調子はいかがでしょうか?」と電話。
…といった具合です。
取りに来てもらうの待ってるのが面倒くさいと思って車を持って行くと,「わざわざお越しいただいて申し訳ありません」と深々とお辞儀。
コーヒーいただいて帰る時は,店の前の道路まで出て来て,見えなくなるまでお辞儀。
気持ち良い,気持ち良い!
一方,国産ディーラーはどうでしょうか?
「調子悪い」と電話すると,「じゃあ,車持って来てください」と一蹴。
おまけに「代車必要ですか?」ですと。
こっちゃぁ,大枚はたいて新車買ってるんですぜぃ!
ヤナセの凄いところは,自分の所で売った車でなくても,対応が同じという点です。
中古車屋で買った車をヤナセで整備してもらい,顧客リストに載せてもらえばOKなんです。
私も最初は他で買った車をヤナセで整備してもらったんですが,この神対応に惚れ込んで,その後ヤナセで新車何台も買っちゃいましたよ。(笑)
このサービスを買ったと思えば安いもんです。
…だいぶ話がそれました。
こういうヤナセのおかげで,VWは日本での評価が上がり,人気者になったんですよ。
あぁ,それなのに,それなのに,なんとVWは大恩人のヤナセを裏切り,フォルクスワーゲンアウディ日本なる会社を作り,ヤナセから輸入権を剥奪したのです。
そして,販売網を広げて,「ファーレン店」と「DUO店」という二つのディーラーで販売したのでした。
DUO店はなんとトヨタの車とVWを同じ店で売るというふざけたディーラーで,営業マンの対応もトヨタでしたので,古くからVWを乗り継いで来た人は耐えられなくて離れちゃったんですよね。
前述の国産車ディーラーの対応をVWでやっちゃったんですもん,当然です!
そして,最近のVWはどうですか?
私の周りでも相変わらず喜んで乗ってる人いますが,私はあまり魅力を感じないですねぇ。
なぜかと言うと,まず(1)乗り心地が中途半端。
昔からのビシッとしたドイツ車の味は薄れてしまいました。
かと言って乗り心地すごく良いって訳でもなく,グローバル企業だからなのか,筋が通ってないんですよ。
次に,(2)ドイツ車ではなくなってしまった。
UP!はスロバキア製,現行ポロ(6R)は南アフリカ製だって知ってました?
それでも品質高ければ良いんですが,組付け精度なんか外れると最悪ですよ。
中国にも工場ありますが,さすがに中国製のVWは日本には輸入していません。
そして,(3)日本をなめているところ。
例のDSGの不具合を受け,VWは北米と中国では保証を10年16万キロに延長しました。
なのに,日本では今までと同じ,新車から3年の保証のみ,なめてんのかこらぁ⁈
排ガス規制の不正問題で騒がれた時は,まだVWに同情的だったんですが,もう我慢の限界ですよ。
で,私はVWがあまり好きではなくなりました。
(嫌いと言わないだけまだ優しい)
今まで乗ってきたVW車は,数えてみたら15台になります。
ゴルフⅡ,ゴルフⅢ(GLI,Diesel),ゴルフⅣ(ワゴン,GTX,R32),ポロ(6N,9N),ルポ(2台),ジェッタ(ゴルフⅡの時代の),バナゴン,シャラン(初代),パサート,古くはサンタナも乗りました。
この内「はずれ」は4台でした。
26%の確率で「はずれ」があるということですので,はずれの確率かなり高いですね。
新車で買ったのにダッシュボードからガタガタ音が出てたり,20,000Km台でアイドリング安定しなくなっちゃったり,ATの変速ショックがものすごくなっちゃったり,新車保証があるうちは良いですが,保証切れてから壊れた日にゃあ,修理費何十万円も請求されます!
今でも時々,VW買っちゃおうかなぁ…という誘惑に遭うことが実はあるんですが,買った先にある地獄を思いに留めて,誘惑に決して負けないように頑張ります‼ (笑)