アメ車はなぜ売れなくなったのか?
皆さんは、アメ車というとどんなイメージでしょうか?
ガソリン垂れ流しとか、大排気量なのにパワーがないとか、そんなイメージの方も多いかもしれません。(汗)
実は、昔はアメ車が一番高級車で、一番人気がありました。
ベンツやBMWは、エアコンも付いていないし、付いてても効かないし、排気量も小さくて、アメ車に比べて格下という感じの位置付けでした。
そんな時代を知っている人は、生きていてももうかなりの年配になってしまいましたので、過去の話になってしまいましたね。
しかし、最近の日本でのアメ車超不人気は、経済摩擦問題になるほど深刻です。
トランプ大統領も日本でアメ車を売らないのは不公平だと言っているそうですが、少し前にも同じような話があって、どうしてもアメ車を売らないとならない状況になって、苦肉の策で、トヨタがシボレー車をトヨタのバッジ付けて売ってた時期があります。
それが、これです。
トヨタ キャバリエ!
「所ジョージが宣伝してたやつ」と言うと、思い出す人もいるのでは?
アメリカではシボレー キャバリエとして販売されている車を、無理やり右ハンドルにしてトヨタのバッジ付けただけの車です。
2.4リッターエンジンのフル装備のキャバリエが、150万円~200万円くらいの価格で販売されました。
ん~?
超お買い得価格ではありませんか?
それでも売れませんでした。(´;ω;`)
…という訳で、売れないで残っている200万円のグレードの新車が、100万円くらいで売られていました。
ん~?
ひゃ、ひゃくまんえん?!
半額じゃん?!
スーパーで「半額」のシールを見ると買わずにはいられない私は、なら買います、と1台買いました。
その後マイナーチェンジした後期型も1台買いました。(爆)
だって、一時正規で輸入されていた同クラス(厳密には少し上のクラスですが、ほぼ同じ)のシボレー コルシカやベレッタ(知ってるかな~?知らないだろうな~?)は、300万円以上で売られていたんですよ。
しかも、キャバリエの内装は、ステアリング、シフトノブ、メーター周りなど、同じシボレーのカマロと同じ!
それが、100万円ですよ、100万円!
乗り出しでも130万円くらいだったと思います。
これは、買いでしょ!
で、乗ってどうかと言いますと、典型的なアメ車の乗り心地。
2.4リッターの4気筒エンジンはトルク重視で乗りやすいですし、アクセルを踏むとグワッと加速して気持ち良い、足周りはソフトで乗り心地最高!
長距離乗っても疲れない肉厚のシートなど、アメリカでヒットしただけのことはありました。
特に、アメ車好きな私には、これが100万円…ということもあって、満足度300%でしたよ!
タイヤホイール替えたり、スピーカー替えたり、シボレーのバッジ付けたりして遊びました。
キャバリエより少し前の時代は、たくさんのアメ車が輸入されていました。
小型セダンのアメ車も、前述のシボレー コルシカの他に、ポンティアック グランダム、クライスラー ミシガン、フォード フォックスマーキー、などなど、ありましたね。
輸入車税があったこともあって、どれも300万円以上でしたが、そこそこ売れてました。
ところが、BMWのE30が爆発的に売れて「六本木のカローラ」と揶揄されるようになったころから、完全に時代はヨーロッパ車、特にドイツ車に流れていったのでした。
ベンツの190(W201)は「コベンツ」と言われて馬鹿にされていましたが、売れに売れた故のことであって、買えない人のやっかみであったことは言うまでもありません。
日本人は、皆と一緒が良いという特性があります。
皆がベンツに乗っているからとベンツを買い、ちょっと個性を主張したい人はBMWを買い、近所や会社であまり目立ちたくない人はVWを買います。
もの凄く個性を主張したい人は極少数で、皆無難な人生を歩みます。
売れ出して話題になると皆が買うので更に売れて街中に溢れるのは今でも同じで、最近だとジムニーとかヤリスとか、そこら辺中走っていますよね。
皆と違うと目立って落ち着かない、皆と違う人は排除したい、そんな歴史の中で培われてきた日本人根性は、私は好きではありません。
田舎に行くほど、そういう傾向が強いですね。
まぁ、アメ車が売れなくなったのは、そのせいばかりではないですけどね。
一番の要因は、アメ車の魅力を分かる人が日本には少ないってことですね。
…確かに、アメ車は作りが雑だったりします。
キャデラックですらフェンダーとボンネットの間の隙間が右と左で違ったり、グリルが真ん中に付いてなかったりするのはザラです。
天井の内張りの先端を触ると切りっぱなしだし、隙間に手が入っちゃったりします。
それでも、アメ車にはアメ車の魅力があるのですよ。
独特の世界があるのですよ。
って、一人で粋がってもアメ車は復権しませんよね~。
安けりゃ売れるわけでもないし…。
日本の市場は難しいですね…。
日本やヨーロッパのメーカーには真似のできないこのデザインが魅力です。
(真似できないのではなく、しない…?) (爆)
何を隠そう、最近のアメ車は、ヨーロッパ車のようになっちゃったんですよ。
キャデラックにしてもリンカーンにしても、昔のアメ車の味を残している車は、まぁ、ありません。(泣)
昔のアメ車の味が好きだった人にとっては寂しい限りです。
フワフワの足、軽~いステアリング、大排気量エンジンのトルクを使った独特の走り…。
低回転で走るのでエンジン音は車内ではほとんど聞こえず、クライメイトコントロールもファンが回っている音は全く聞こえない…ベンチシートは3人掛けなので助手席の彼女との距離はけっこう離れているんですが、ひそひそと話しても会話ができる静寂な空間…こういうアメ車の世界を知っている方は、他の国の車では満足できません。
日本ではベンツが人気ですが、昔のアメ車に比べるとベンツは中途半端で、乗り心地も静かさも、アメ車が100点だとすると80点という感じです。
その代わり、ベンツは高速安定性やワインディングロードでの楽しさなども80点で、アメ車はこういうところが60点なので、オール80点のベンツは優秀ではあるのですが…。
アメ車はアメ車の味と個性を残して、独自の土俵で勝負すればまだ希望がありましたが、今や元々のアメ車ファンも離れてしまって、日本でのアメ車人気は絶望的になってしまいました。
残るは中古車で勝負です!
90年代半ばくらいまでのキャデやリンカーンの中古で程度の良い車があったら是非欲しいんですが、なかなか良い車には出会えませんね。
見つけたら即買いですよ!